第二種電気工事士の技能試験に1回落ちて、次で受かった — 工具と練習量の話

レビュー 2026年8月3日

PR — この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。 紹介している製品は、すべて筆者が実際に購入して使用したものです。 対価を受け取って特定の製品を推奨することはしていません。

白と黒を、間違えた

2024年度下期。筆者は第二種電気工事士の技能試験に落ちました。

学科は同じ回に一発で通っていました。問題は技能です。 作業が終わったのは制限時間ぎりぎりで、見直しをする余裕はまったくありませんでした。 そして提出した作品には、白(接地側)と黒(非接地側)の結線ミスがありました。

極性の間違いは重大欠陥です。他がどれだけ綺麗にできていても、そこで終わります。

半年後の2025年度上期、技能試験を受け直しました。 今度は時間に余裕があり、見直しまでできて、合格しました。

工具は1回目と同じものです。変えたのは練習量だけでした。

この記事は「どの工具を買うべきか」の話ですが、 筆者の結論は「工具より練習用部材の方が合否に効く」です。 落ちた側の実感として、そこを中心に書きます。

この記事が向いていない人

先に外しておきます。

落ちた原因は、工具ではなく時間だった

1回目に何が起きたかを、もう少し具体的に書きます。

作業自体は最後まで終わりました。終わったのが時間ぎりぎりだったのが問題です。 残り時間が見えている状態で作業すると、手元は焦ります。 そして焦った状態で作った作品は、見直す時間がありません。

白黒の結線ミスは、落ち着いて確認すれば絶対に気づくミスです。 複線図の書き方を知らなかったわけでも、極性の意味を理解していなかったわけでもありません。 確認する時間がなかっただけです。

つまり、技能試験で本当に競っているのは「作れるかどうか」ではなく、 **「見直す時間を残して作り終われるかどうか」**でした。

2回目はここだけを狙って準備しました。結果、時間が余り、見直しができ、受かりました。

工具を選ぶときに見る基準は3つ

基準1: リングスリーブ用圧着工具が「黄色い柄」かどうか

ここだけは間違えると試験当日に詰みます。

技能試験で使うリングスリーブ用の圧着工具は、JIS C 9711 に適合した製品で、柄が黄色です。 似た形の圧着ペンチが多数売られていますが、 柄が赤いものは「裸圧着端子・裸圧着スリーブ用」で、リングスリーブの圧着には使えません。

形がよく似ていて、赤い方が安いこともあるので、知らずに買ってしまう人がいます。 工具セットを買う理由の半分はここで、セットに入っているものは黄色の適合品です。 単品で買うなら HOZAN P-738 のようなリングスリーブ用を選んでください。

【要確認】受験する年度の受験案内で、指定工具の一覧と圧着工具の要件を必ず自分で確認してください。 制度・様式は変わることがあります。

基準2: VVFストリッパーは「時間を買う道具」

技能試験は40分です。そして前述の通り、勝負を分けるのは見直し時間の有無です。

指定工具(ペンチ、プラス・マイナスドライバー、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤ、リングスリーブ用圧着工具)だけでも作業はできます。 ただし外装と絶縁被覆の剥ぎ取りを電工ナイフでやると、 時間も、芯線に傷を入れるリスクも上がります

VVFストリッパー(HOZAN P-958)は指定工具ではありませんが、持ち込みは認められています。 剥ぎ取りは1つの課題で何十回も発生する工程なので、ここが速くなると効き方が大きいです。

工具セットを買うなら、これが最初から入っている DK-28 を選ぶ方が結局は安く済みます。

基準3: 練習量が、そのまま時間の余裕になる(本題)

筆者は手先がとても器用とは言えません。だからこそ練習量が要ると判断しました。

技能試験は候補問題13問が事前に公表され、その中から1問が出題されます。 13問すべてを一度作れば、当日は初見の作業が出てきません。 しかし1周しただけでは、筆者の場合「作れる」止まりで、速くはなりませんでした

2周目でようやく手が慣れて、時間に余裕が生まれました。

問題は、練習にはケーブルという消耗品が要ることです。 DK-51 のような「1回用」の部材セットは、13問を1周できる分量で構成されています。

1回用のセットで2周する方法

筆者は1回用の部材を、やりくりして2周させました。やったことは単純です。

1回用でも部材には少し余裕があるので、この方法で2周は現実的に回せます。 ただし2周目のケーブルは短くなっているため、寸法通りの練習にはなりません。 「手を慣らす」目的なら十分ですが、「本番と同じ条件で通す」練習にはならない、という割り切りが要ります。

2回用を買えば、この手間ごと消えます。 1万円台後半を追加で払って、 やりくりの時間と「寸法が本番と違う」という不安を消すかどうか、という選択です。

比較表

選択肢価格帯圧着工具VVFストリッパー候補問題の解説向いている人
HOZAN DK-28 工具セット1万円台前半黄色・適合品あり(P-958)あり初受験の大半。迷うならこれ
HOZAN DK-29 工具セット1万円弱黄色・適合品なし製品によるナイフ作業に慣れている人
ノーブランドの安価セット数千円要確認製品によるなし工具の目利きができる人
バラ買い(P-958 / P-738 など)変動自分で選ぶ自分で選ぶなしすでに一部持っている人
練習用部材 1回用 DK-511万円台後半ハンドブック付きやりくりして2周できる人
練習用部材 2回用 DK-522〜3万円台同上手間を金で消したい人

価格は購入時点のもので、変動します。型番と対応年度は購入前に必ず確認してください。

個別に見ていく

HOZAN 技能試験用工具セット(DK-28)

購入時 11,604円。1回目・2回目とも同じものを使いました。

良い点

気になる点

向いている人: 初受験で工具を持っていない人。

なお筆者は、1回目の不合格の原因は工具ではありませんでした。 工具セットは「これで落ちた」ものではなく、「これで受かった」ものでもある、という位置づけです。

練習用部材 DK-51(1回用)

購入時 17,497円。

良い点

気になる点

向いている人: 独学の人。手間をかけてでも費用を抑えたい人。

試験には要らなかったもの(正直に)

筆者が後から買った工具のうち、技能試験には不要だったものを挙げておきます。

「圧着ペンチ」という同じ名前で全く別の工具が売られています。 試験対策として買うなら、リングスリーブ用(黄色)であることだけを見てください

使い方別のおすすめ

手先に自信がない / 不器用な自覚がある 工具セット + 練習用部材。2周できる量を確保してください。 1回用をやりくりして2周するか、素直に2回用を買うかは、手間と1万円台後半のどちらを取るかです。 筆者は前者でしたが、時間に余裕がある人は後者の方が確実だと思います。

技能で一度落ちた 学科が免除される回があるはずなので、まず受験案内で自分の免除条件を確認してください。 そのうえで、工具を買い替えるより練習量を増やす方を勧めます。 筆者が2回目に変えたのはそこだけでした。

作業が速い自信がある 1回用で1周し、時間を計って本番形式で通してみてください。 40分に対して見直しの時間が残るかが判断基準です。残らないなら、周回を増やす価値があります。

合格後も電気工事を続ける予定 セットで揃えて問題ありません。

練習中に足りなくなるもの

工具セットと練習用部材を買っても、練習していると途中で足りなくなるものがあります。 どれも単品で買い足せます。

リングスリーブは特に軽視されがちですが、圧着ミスは重大欠陥に直結します。 本番で一発勝負にしないために、練習で潰す前提の数を用意しておく価値があります。

まとめ

不器用でも、時間の余裕さえ作れれば見直しができます。 見直しができれば、白と黒を間違えたまま提出することもありません。